海外ではかなり問題視されているあの腸炎
こんにちは、医学生として学生実習に戻ったぬーみんです。
さすがに患側挙上車いすでしか移動できないため、患者さんと会うのはまだかなあって先生に言われました。ですよね。どっちが患者かわからんし。てかどっちも患者やし。
さて今日は国試でも出る、抗生剤投与で問題になる院内感染の腸炎、偽膜性腸炎についてです。
まず名前からですがQBでおなじみの白い偽膜が腸管にポツポツできることからこの名前が付きました。が、海外ではC.difficile-associated diarrhoea(CDAD)っていうそうです。偽膜の要素が全くない!!
実は後で出てきますが、消化管内視鏡で見える偽膜は診断のために証明する必要はないのです。
BJMやLancetのような海外のジャーナルでは1号に1つはCDについての記事があるほど問題視されている疾患だそうです。
偽膜性腸炎の原因菌は前出のC.difficile(CD)です。
概念:抗菌薬による菌交代現象でCDが大量に繁殖し、産出される毒素により腸粘膜が侵される疾患。
症状:水様性下痢、腹部鈍痛、腹部膨満感。重症例ではショック状態、低タンパク血症、中毒性巨大結腸症(収縮できないぐらいに疲れ切った腸。そのうち腸上皮が壊死して菌血症の原因になるため即手術が必要)、敗血症、死に至ることもある。
診断方法なのですが、yearnoteには下部消化管内視鏡で偽膜を証明することと書かれていますが、それは菌をまき散らすだけで逆効果だそうです。海外では偽膜にはそれほど重点が置かれていません。
一方重要な検査は便中のCD毒素を検出することです。培養ではありません。菌が存在することではなく菌が毒素出して悪さをしていることを証明す津必要があります。
治療法は保存療法が基本です。かなり難治性のようです。
- 下痢による脱水を防ぐための輸液
- 原因抗生剤の中止
- 軽症ならメトロニダゾール、重症ならバンコマイシンを投与
CDは院内感染も起こします。入院期間が長い程発症する可能性が高まります。感染予防方法としては
- 手を洗う
- 患者の個室管理と専用トイレ
- トイレでは蓋をして流す
- 男性はできるだけ便座に座ってトイレをする、立ってする場合は勢いよくしない
が挙げられます。男性の皆さん、たちしょんはだめですよ!!