女性を見たら〇〇と思え・・・でも落とし穴があるかも
どーも、ぬーみんです。
ニート生活が始まって、早くも曜日感覚を失っているところです。
大学に後輩とばったり出会って
ぬ「土曜日やのに勉強?えらいね」
後「先輩、今日は金曜日ですよ、実習でした」
って言われるポンコツぶりです。
さて、今日は必修の勉強をしていて気づいたあることに考察したいと思います
なぞなぞ
救急外来で若い女性を見たらその正体はなーんだ?
byだれかさん
若い女性が腹痛でやってきた
問題はこちらです。
109H26
- もともと悪心があって、昨日から右下腹部痛が出現した
- 嘔吐がある
- 微熱
ということは虫垂炎にちがいない。鑑別も消化器系の疾患を挙げるべきだろう。
とにかく腹部CTをすれば一発でわかるぞ!!解決やな!!
となってしまいそうになりませんか、この問題出題の仕方だと。
若い女性を見たら妊娠を疑え
では黒塗りをすべて外して問題を見てみましょう
そう、これは妊娠初期症状の女性に対する対応を問うた問題だったのです。
言われてみれば・・・
まさに「女性の腹痛=妊娠を疑え」の教訓が活かされる場面ですね。
妊娠の可能性?
さて、仮に消化器系疾患と仮説を立ててCTに進むとしましょう。
問診では女性には必ず妊娠の可能性を問診するはずです。
ここで返ってくる可能性があるパターンはいくつか考えられます
Q「妊娠の可能性はありませんか?」
パターン①「ないです。(月経は順調、性交渉もなし)」
パターン②「ないです。(月経は順調、性交渉あり)」
パターン③「ないです。(月経は不順、性交渉はなし)」
パターン④「ないです。(月経は不順、性交渉あり)」
パターン⑤「ないです。(最近月経が来ていない、でもまさか妊娠だなんて)」
パターン⑥「実はしています。」 ←先に言え(怒)
パターン⑦「最近月経が来ていないのでもしかすると、かも」
おわかりいただけるでしょうか?
返ってくるパターンは実情がどうであれ、ほぼ「妊娠していません」の言葉だとは思いませんか?
④⑤のパターンで避妊をしっかりしていない女性で、あれば妊娠の確率も高くなると考えられます。
⑥⑦のパターンで返してくれる患者さんばかりならありがたいですが、おそらく「妊娠の可能性」とだけ訪ねても月経の詳しい状況や性活動まで詳しく聴取することは難しいと思います。
一人の女性の意見として、自分なら検査前の問診では確証がない限り「妊娠していません」と答えます。まだ妊娠したくないし
胎児の被爆は?
さて消化器疾患仮説でCTを撮影した場合に問題になるのは胎児の放射線被曝ですね。
妊娠中にCT検査を受けることになったが、お腹の子供(胎児)は大丈夫ですか?
放射線によって胎児に影響がでるとされる線量(しきい線量)は、100 mGyと言われています。表6に示すように、CT検査を受けてもしきい線量を超えることはありません。100mGyというのは、子供が自然に形態異常を持って生まれる発生率:3 %をわずかに上回ることが疫学的に確認できた値であり、100 mGyを超えると100 %形態異常になるわけではありません。
万が一CTを撮影してしまっても、1回では胎児奇形のしきい値を超えないということですね。
よかった
ただこの胎児の発育週数を推定すると、器官形成期に当たるので余分な被爆は避けるべきであったといことは言えると思います。
ちなみに
妊娠検査薬で陽性反応が出るのは妊娠4週以降だそうです。
検査薬で陰性であるからといって必ずしも妊娠が否定できるとは限りません。
妊娠の可能性を見逃さないために
「妊娠の可能性は?」「ないです」ほど信用のない回答はありません。
プライバシーの配慮は必要ですが、できれば「病気を見極めるために、月経のことについて聞かせていただけないでしょうか」と前置きをして周期、整か不整か、月経量はどうか、鎮痛薬の使用頻度を含めた月経痛も問診しておく必要があります。
妊娠が疑わしい場合はさらに「失礼ですが、最後の性交渉はいつか、生理は来ているのかも教えていただけますか?」ぐらい付け加えてもいいと思います。
この記事のまとめ
- 女性の腹痛を見たら妊娠を疑え(婦人科疾患も忘れずに鑑別に挙げてね)
- 妊娠中にCTをとっても胎児に重大な影響が出る可能性は少ない
- 「妊娠の可能性」は正確な質問ではない。「月経の詳細、性交歴」まで問診すると確実
- 患者さんのプライバシーに配慮した聞き方を忘れずに