尿崩症の鑑別
こんにちは、ぬーみんです。まずはご報告から。
ついに手術日程が決まりました!!10/31です。というわけで「血の西医体と恐怖のハロウィン」が実現する予定です。わーーい(棒読み)。
ちなみに勉強不足で国試に落ちることをMTM先生は「血のバレンタインデーと恐怖のホワイトデーがダブルでやってくる」とがおっしゃっています。
今週の診察では順調に経過しているので、明日からもっと普通に足をあげて歩くことや階段の上りをやってみるように、ともアドバイスされました。
入院しながら病院実習できるかなって整形外科で看護師をしている同級生に聞いてみたら
「無理。患者様は安静にしてください。」
って即答されました。いや、抜け出してでも行くわ、追ポリ減らしたいし。
さてしょうもない報告は置いといて、今日は尿崩症についてです。勉強会の範囲でQB内分泌を解き進めていたんですが、ここの範囲はめちゃムズでした。
尿崩症とは低調尿(比重1.010以下)が大量に出る(3L/day以上)疾患で口渇、多飲を伴います。が、多尿を示す疾患は鑑別が必要です。さらに尿崩症の原因によって治療が変わるため尿崩症の中でも鑑別する必要があります。
今回は多尿の患者さんの鑑別をしていきましょう。
①高張尿?低調尿? ➡ 尿検査、血液検査、病歴
低調尿の基準は
- 尿比重1.010以下
- 尿浸透圧300mOsm/kg未満
- 尿浸透圧<血漿浸透圧
があります。ここで等~高張尿であれば浸透圧利尿をきたしているということなので、腎不全や糖尿病を疑う必要があります。逆に低調尿ならば尿崩症の鑑別に進みます。
②適切な刺激で尿は濃縮する? ➡ 高張食塩水負荷試験、水制限試験
ADH分泌能が正常で受容体も正常ならば、体内の水分を減らすか塩分を上げればちゃんと尿から水を再吸収してくれるんじゃないって発想です。この試験では心因性多飲と尿崩症を鑑別できます。
心因性多飲
精神疾患やストレスが視床下部の口渇中枢を刺激することでどんどん水を飲んでしまいます。「飲むから出る」タイプですね。あと、問診で鑑別するならば「夜間尿は少ない」ということでもわかります。
- 高張食塩水負荷試験・・5%食塩水を静注して血中AVP値が上昇するか
- 水制限試験・・体重が3%減少するまで水分を摂取しないで血漿浸透圧や尿浸透圧に変化があるか ※苦痛を伴う試験なので必要な場合のみ実施する
③AVP受容体は働いてる? ➡ バソプレシン試験
受容体のほうがだめならホルモンを補充しても反応なし、ホルモンが出ていないなら補充すれば正常反応を示すはずっていう発想です。こっちは「出るから飲む」ってタイプですね。この試験で中枢性と腎性を鑑別できます。
中枢性尿崩症
視床下部・下垂体後葉でのADH合成・分泌能低下により尿の濃縮能が低下する。
- 原因・・特発性(40%)、家族性、脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、胚細胞腫瘍)、肉芽腫性病変(サルコイドーシス)、炎症(リンパ球性漏斗下垂体後葉炎、脳脊髄炎)、外傷性
- 治療・・酢酸デスモプレシン(DDAVP)の投与。水中毒に注意(体重、血清Naをモニタリング)
腎性尿崩症
腎臓のAVP反応性が低下するため尿の濃縮能が低下する・
- 原因・・腎疾患(アミロイド腎)、高Ca、低K、薬剤性(リチウム製剤)
- 治療・・サイアザイド系利尿薬(遠位尿細管のNa-Clチャネル阻害でNa利尿→最大希釈力の低下・細胞外体液量とGFRの低下、尿量の減少→全体の尿量の減少)
サイアザイドの機序は難しいですね。あと水制限試験は絶対にしたくないです。無理です。ほんまに。