術後4か月 留学から帰ってきてからのリハビリ
こんにちは、ご無沙汰しております。最近ゲームばっかりしているダメ医学生のぬーみんです。
膝を犠牲にすることなく無事日本までかえってきました。食生活がよろしくなかったのでしつこい風邪は引いて帰ってきましたが。
さて最近のリハビリについてです。
- 片足スクワットもどき(右足はバランスボード↓に乗せて)
って感じです。
相変わらず移植腱採集部の膝前面は痛くて思ったように筋肉が戻ってくれません。やっと健側の半分ぐらいの筋肉になったぐらいでしょうか。
4か月でまともに片足スクワットできないのはかなりよろしくないようですが・・
しかし、Goog news!!
自転車と軽いランニングの許可が下りました
ただしPTさん的には筋力が足りていないからランニングはやめたほうがいいとのことです。
これで自転車で通学できます。いろいろと腹の立つ電車通学から解放されました。
許可が出て試しに自転車に乗ってみたところ・・・あれ、重い・・
結局大学から家まで乗ってみたのですが、お尻が筋肉痛で心臓がdancingという結果に。
体力も筋力もひどく落ちたことを改めて自覚しました、つらい
SIRSとqSOFA
国試の一般問題で出うるけどよく忘れがちな数値と定義
SIRS
侵襲(細胞,組織を損傷する内因的および外因的刺激)の種類にかかわらず,サイトカインを中心とした免疫-炎症反応による非特異的な全身生体反応を把握するための臨床概念。
つまりサイトカインの増加して全身にいきわたることで組織の酵素代謝がうまくいかなくなり、最悪の場合多臓器不全に至るということ
一見大丈夫そうな患者さんでもSIRSの基準を満たしていれば急変する可能性があるのでスクリーニングに有用な指標である。
B:体温 <36℃ or 38℃<
P:脈拍 90/分<
R:呼吸数 20/分< or PaCO2 < 32 Torr
W:白血球数 4000/μL< or 12000/μL<
のうち2項目以上
※炎症の度合いを見たいからショックかどうかを判定する血圧の項目は関係ない
しかし、最近敗血症の定義が変わったみたいでSOFAスコアのほうを重視するようになったそうで
qSOFA
しかしSOFAスコアは血液検査をしないと正確に出せないため、即座にスクリーニングするための指標が必要となった。
R:呼吸数 22/回<
B:血圧 収縮期<100mmHg
G:意識状態の変容(GCSとか)
のうち2項目以上
3原色のRBGで覚えましょう(友達には不評)
感染とqSOFA2点以上
ちなみに
敗血症 = 感染による宿主生体反応の調整不全で臓器不全をともなう
敗血症性ショック = 敗血症 + 輸液負荷でも65mmHgを保つのにカテコラミンが必要
UAE留学 オマーンへ国境越え、失敗に終わる (2017/2/19)
اَسَّلاَمُ عَلَيْكُم(こんにちは)、ぬーみんです。
すっかりこちらの生活にも馴染んできて、挨拶がアラビア語になってしまいました、てへ。ちなみに挨拶以外のアラビア語はわかりません。
馴染んだとはいっても町中を歩いていると、周りの男性から好奇の目で見られているような気がします。例えるなら私たちが日本でスカーフを被ったアラブ人女性を見る時のような。
さて今日は、順番を前倒しにして先週の週末のことを忘れる前に書いておきたいと思います。
今私の住んでいるAl Ainという町は隣国オマーンとの国境の町です。
灰色の部分がUAE領Al Ain, オレンジの国境より右がオマーン領Al Buraimiです。
というわけでせっかく国境の町にいるんだから徒歩で国境を越えてみよう企画を一人でやってみました。
情報はありとあらゆるネット記事を参考にしました。特にこの記事
William Dabadieの世界一周ブログ - アル・アイン(UAE)からブライミ(オマーン)へ陸路越境してみた
が私のやろうとしていることに近かったです。
概要は以下の通り
寮を出発
→タクシーで国境検問所(Hili Borderへ)
→国境近くのバス停で高速バスに乗る
→途中通過するオマーン側のimmigrationでスタンプをもらう(国境から約50㎞?)
→マスカットへ、ホテルチェックイン
ポイントはAl Buraimi発マスカット生きのバスが1日3本しかないことと、オマーン側のイミグレが国境から相当遠いということです。出国は簡単だけどいったん出ると入国は難しいということですね。
↑時刻表
- 朝5時起床。6時にタクシーアプリでタクシーを探す。見つからず諦めようとしたとき、近くでタクシーを予約していた学生を発見。途中まで一緒に乗せてもらう。
- 運転手さん的にはHili Borderからの越境は難しいとのこと。しかし私には他の情報がないのでアドバイスを無視。
- 6時40分、Hili Borderに到着。車のレーンに並んで徒歩で検問所へ。すると「この検問所はUAE人しか使えない。外国人は別の検問所へ行けといわれる」「???」
話がちがう。調べたブログではみんなこの検問所を使っていたのに・・・
以下、Al Ain - Al Buraimiの国境通過についての最新情報です。(2018/1/1現在)
このサイトの情報によると、2018/1/1より外国人旅行客及びGCC諸国の人たちに閉ざされるとのことです。タイミング悪っ。
このようなわけで
一番上のHili Borderではなく右上のKhatam Al Shakla Borderを使わないといけなかったのですね。つらい。
さてどうしよう。
もう一つの検問所に行けば確実に出国はできるが、そのあとの移動手段がタクシーしかない。しかもオマーンのタクシー運転手は英語がわからない人もいる上に料金がとてつもなく高いとの噂も・・・。バス停まで戻っても早朝のバスに乗れないし、そもそもバス停までたどり着ける保証もなく、オマーンのスタンプをもらって再入国できる保証もない。
というわけで
諦めました。タクシー代とホテル代を犠牲にして。
おそらく、もう一つの国境も幹線道路沿いにあるので目的のバスが通りかかるはずです。アラブ人ならヒッチハイク的にバスを止めて乗せてもらうのかもしれないけど。私にはそんな度胸はありません。はい。
誰か勇気のある人はぜひ挑戦してみてください。
一番確実なのはドバイ発マスカット行きの国際バスに乗ることですね。
教訓としては、最新情報は常に地元の英語記事から入手すべし、ってことと地元のタクシーの運転手さんのアドバイスには従えってことでしたね。
UAE留学 初日 (2017/2/5)
こんにちは、ぬーみんです。
トラブル続きながらなんとか大学にたどりついて1日、実習が始まります。
- 時差ボケで眠れず
- バスで大学へ。どのバスがどの時間に出発するかわからず、運転手に聞きまくる。結局時刻表がどこにあるのかはわからず。
- 大学に到着。メールのやり取りをしたmedical secretaryの人を探す。正面玄関の警備員→病院管理区画の警備員→管理棟の受付→財務部門の受付(秘書さんのofficeがあるらしい場所)。ここまで来て秘書さんの名前を聞いてもみんな知らないと言う。
- 仕方がなく病院の奥にいるほかの警備員に聞く→academic affairにいるよと教えてくれる(秘書さんの所属)→場所を教えてもらうも英語を理解できずおろおろしていると通りがかった医者が車に乗せて連れて行ってくれることに→建物につく。秘書さんが待っていてくれた。
ここまでで2時間かかりました。たらい回しもいいところ。
そのあと白衣を借りて内科の事務室で先生が来てくれるまで待機。ここまでで気づいたんですけど、アラブ人ってめっちゃ香水くさい・・・、香水かおる事務員さんとも香水の話をしてつけさせてもらったけどなかなかキツいにおいです。道行く人の中には卒倒するぐらいきつい残り香を漂わせる人もいます。カルチャーショックですなあ。
しばらくして今週お世話になるEndocrine Clinicの先生がやってきて回診を開始。
ところで、UAEの3大疾患は糖尿病、気管支喘息、交通事故です。
このうちの一つに含まれているからどんなものかと思いきや・・・・
個室の病室に甘いお菓子を山盛りプレートに載せて、お手製カレーとナンを持ち込んで、床に絨毯を敷いて談笑する、って感じの患者さんも散見されるという有様。
↑このお菓子の盛り合わせをもう少し小さくしたものが病室にあるんですよ、冗談抜きで。
そりゃコントロール不良の糖尿病にもなるよねえっていうのが正直な感想です。先生方もコーヒーに砂糖を入れるな、とか必死に説得してました。言うこと聞かない患者さんは万国共通なのでしょうか。
そして回診も終盤になったころ、頑固な患者さんの説得を聞いていたところで自分の体に異変が・・時差ボケによる寝不足、食料調達をできなかったことによる空腹、慣れない環境へのストレのがベースの上に、あのキツい香水のにおいがトリガーが重なって迷走神経反射を起こしてしまいました。発作は国境を越える。
先生にすごく心配されてチョコをいただいてしばらく休んでいました。国内ではすごく気を付けていたのに油断していました。
と、まあなんともさんざんな実習の始まりでした。
そのあとのお昼ご飯は安くておいしい病院食堂で楽しみ、午後からは外来見学と食料調達をして1日が終了。
食糧といっても袋めんと食パン・チキンハム・野菜、とかですけど。
Endocrineには今週は誰も学生がいないらしく、友達作りはお預けのようです。
この先どうなることやら。先が思いやられます。
UAE留学 到着 (2017/2/4)
こんにちは、ぬーみんです。
以前の記事から続きます。苦難の連続で書くことが多いので箇条書きでまとめていきます。
何が問題って、SIMカードの使いかたがわからなくてネットが使えないということですね。
↑ドバイメトロの地図
- 某ガイドブックのショボい情報をもとにアルアイン行きのバスを探すも、文章を読み違えていて違うメトロ駅で降りてさまよう。
- 正しい駅に降り立つ。荷物が重い
http://mapio.net/pic/p-21845308/
- al Ghubaibaのバスターミナルに到着。チケット売り場もどのバスかもわからず人に聞きまくる。みんな優しいから教えてくれる。ちなみにチケット売り場の列は男女別に並ばないといけない。20AED
- 砂漠を突っ切る高速道路でAl Ainへ。疲れて眠る
- 2時間ほどで到着
http://www.birdair.com/projects/abu-dhabi-al-ain-bus-station
- ターミナルから大学への行き方がわからず、時刻表も見当たらない。警備員や他のバス待ちの人たちに聞きまくる。英語が出来なさ過ぎて呆れられながらも教えてもらう。ちなみに時刻表は交通アプリで見ることができる。私はネットがないので見ることができない。
- 教えてもらったバスに乗り大学へ。google mapが見れないので大学がどこかがわからない。運転手さんに降りる場所で声をかけてもらう。バスの運賃は交通ICカードか運転手さんに直接払う。運転席は料金所のような窓口になっている。
- 大学に到着するも医学部キャンパスと病院がわからず警備員のおっちゃんに聞く
- 医学部講義棟に入る。が、警備員に止められる。メールと留学受け入れ所のコピーを見せて必死に説明する。担当の先生のところに連れて行ってもらう。
- 担当の先生に寮のことを説明してもらう。実習のある分の日数しか予約してもらっていないそうだがゆーていけるやろ的ノリで先生の車で寮へ出発。みんな英語が早口過ぎるのと、Rの巻き舌がキツすぎて聞き取れない。
- 寮に到着。先生はすぐ帰り、警備員のお姉さんに引き継がれる。バッチバチメイクの寮母さんと対面。案の定本日の予約は入ってないと半ギレされる。担当の先生に確認の電話をするも出ない。とりあえず今日は泊めてくれることになった。
- 寮母さんにWifiのパスワードを聞こうとするがなぜか教えてもらえない。見かねた警備員のお姉さんが自分のアカウントをこっそり貸してくれた。今後、しょーもない動画を見てもお姉さんが見たことになるのね、かわいそうに。
http://www.dulights.com/en/projects/details.aspx?projectid=10
- 部屋に入る。オートロックなのでいつかキー閉じ込みをやってしまいそう。2人部屋だがルームメイトはいないようである。前に使っていた人の荷物がかなり置かれたままである。ベッドはシーツもひかれず布団は薄いものがソファに乱雑に置きっぱなしになっている。
- シャワーを浴びに行く。お湯がでない。仕方なくプールぐらいの温度の水を浴びる。いつか風邪ひきそう。
こんな感じでさんざんでした。
こっちの大学、本当に適当だなあ。受け入れ準備できてないやん。
辛すぎて世の中はネットとお金と英語でできているっていう名言を思いつきました。早くもホームシックに陥っています。
医学生が学んでおくべきこと
こんにちは、最近異国に慣れてきたぬーみんです。
今日はこちらの病院の呼吸器内科の先生からいただいたありがたいお話についてまとめたいと思います。
先生「医学生が学ぶべきことって何だと思う?」
ぬ「うーん、正確な知識とスキルですか?」
先生「ちがうよ、よく聞いてね」
英語で質問されているだけでしどろもどろになってるのに、こんなとんちみたいな質問をされたもんだから挙動不審になってしまいました。
以下、先生の答え
まず第一に学ぶべきことは
Proffessionism(プロ意識)
教科書には書いていないけれど、医者としては当たり前であるべきこと
- Respect:医療はチームワークが不可欠。円滑な人間関係を気づくには相手を尊敬することが不可欠である。患者やその家族に対しても然り。
- Good Documentation:チーム内で情報を正確に共有するには正確な記述が必要。形式に則って書く。患者さんの説明も患者さんにとってわかる言葉で正しく伝えることが求められる。
- Confidension:信頼性がなければ仕事は進まない。特に患者さんから信頼を得ることは患者さんの利益につながる。できるといったことは遂行する、できないことはできないという
- Time Management:時間通りにはじめ、時間以内に終わる。時間オーバーは周りに不利益を被らせる。
- Listen to Instruction:上級医から専攻医、専攻医からレジデント、レジデントから研修医へと指揮系統は階段状。一か所でも崩れると機能しなくなる。
そのあとでやっと
Knowledge(知識)
Clinical skill(臨床技能)
が来るそうです。
ちなみにprofessionalismとは何かという記事はこんなものがありました。
10 things that define a true professional - TechRepublic
専門医になったらさらにここまでレベルアップする必要ばある、といったことでしょうか