工学部の友達に『がん』について説明してみた
先日、中高時代の親友で同じ大学の工学部に在籍するYちゃんと遊びに行った時の話です。
ぬ「・・がんのエセ代替療法はマジでクソ!!」
Y「でさー、がんって何なん?」
ぬ「え、えとね・・・あれ、がんって何やったけ?」
ぬ(医学部以外の人に説明するのって新鮮やな、そうか、医歯薬系じゃなかったらがんについて勉強しないもんな)
恥ずかしながら、しどろもどろな説明をしてしまいました。
がんって何?
はたらく細胞でもありましたね。
がんとは、ずばり自分自身の細胞です。
ただし、正常の自分の細胞であれば様々な制御機構が働いて、必要な時に必要なだけ細胞増殖が起こります。
しかし異常化してしまった自身の細胞、つまりがん細胞は勝手に無限増殖を始めてしまうのです。
無限増殖を始めた結果、正常組織を破壊して、さらに隣の臓器に食い込んでいったり(浸潤)、遠く離れた臓器や器官に新たな腫瘤を作ります(転移)
無限増殖を始めるきっかけは?
全身の約30兆個の細胞は同じ設計図、DNAを基に体のもととなるたんぱく質を作り出しています。
しかしDNAは日々、化学物質や大気汚染、紫外線や放射線などが原因で傷ついています。
傷ついたDNAはある程度までは修復されます。
損傷修復が激しく修復が追い付かなければ細胞分裂ができず、休眠状態になります。
そして休眠状態が続けばアポトーシスといって自滅を起こします。
しかし、これらの修復や監視を担当する「がん抑制遺伝子」に異常がある場合や、「が
ん抑制遺伝子」の働きが阻害された場合は、この損傷を持つ異常細胞を自滅させること
ができずに異常細胞の増殖が始まります。これががんの始まりです。
がんの6つの特徴
先ほどの話をもう少し専門的にするとがんの6つの性質を説明することになります。
- 細胞分裂スイッチが常にONになる
- 無限に増殖を繰り返す
- 増殖するための栄養分を横取りする血管を創り出す。がんは正常細胞よりも大量のブドウ糖を消費している
- 遺伝子異常を起こした細胞の自滅ストップ
- 遺伝子複製ミスのチェックでストップさせられない
- あっちこっちに広がって飛んでいく。手術で取り切れなくなる。
さらに病理学的な説明
炎症や免疫など様々な生体反応が関わっているそうです。
まあ、これは医学部生だけでいいのではないでしょうか。
ちなみに本庶先生がノーベル賞を取った抗PD-1抗体もがん免疫にかかわっています
、
がんがPD-L1を提示していると、免疫細胞は攻撃力を発揮できなくなります。
そこで、PD-L1を封じ込めてしまえば免疫細胞が力を発揮できるやんって考えて作られたのが抗PD-L1抗体「オプジーボ」なのです(めっちゃざっくり)
この記事のまとめ
なんだかんだ書いたけど、工学部の友達に説明すると
- がんは自分自身の細胞、だけど命令を無視して無限増殖するからタチが悪い
- あっちこっちに広がって飛んでいくから取り切れない
- 正常細胞の分の栄養も横取りするから体が弱っていく
って感じでいいんですかね。
参考文献
癌研究ツール | 高品質な各種試薬・キットを販売 | コスモ・バイオ株式会社
がんとは|一般社団法人 がん先端治療|遺伝子治療などを中心とした最先端がん治療の情報サイト
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