言葉遊び、墜落と転落の違い
しばらくぶりです、ぬーみんです。
実習が復活してネタがいっぱい集まっているので放出しなければ
さて、今日は言葉の上げ足とりみたいなお話ですが。
みなさん、「墜落」と「転落」の違いって知ってますか?
どちらも医学用語として正しい?
どちらかだけが正しい?
意味が違う?
時代によって変わってきた?
そんなもん、どっちでもええやんって感じですね。でも医学は言葉の使い分けにうるさいので違いを知っておく必要があります。
答えはどちらも医学用語として正しいが意味が違う、でした。
転落のイメージは
階段から「転げ落ちる」感じです。
一方墜落のイメージは
いわゆる「落ちる」感じです。
2つの違いは・・落下中に他の物体に接触しているか、直接地面に落ちていくかの違いだそうです。
階段から落ちる場合はほぼ間違いなく「転落」ですが、ほかにもビルの3階からベランダに引っかかって落ちた、木にひっかかって落ちた場合も「転落」です。
逆に橋から真っ逆さまに落ちた、ビルから飛び降りて地面に激突した場合は「墜落」になります。
なぜこの二つが区別されるかというと、重症度とそれにともなう予後が変わるからです。
どちらのケースののほうが人体により大きなエネルギーがかかるか、と考えれば当然墜落のほうが高エネルギー外傷になります。転落は地面以外の場所と接触することによってエネルギーが分散されやすいため一度に大きなエネルギーがかかりにくいのです。
転落ならビルの13階からでも最終的には歩いて退院できた人もいるけれど、建物の3階から墜落しただけでも十分に死ぬ可能性があるとのことです。
重力の力、すげー(小並感)
以上、医学の言葉遊びでした。
術後2か月ぐらい
お久しぶりです、ぬーみんです。
年末に術後2か月を迎えました。今となっては歩けなかった時期なんて忘れてしまったように歩き回っています。
そんなぬーみんの年末年始は
- 病院見学3件
- 部活の忘年会と先輩方とのごはん
- 祖父母の家へ帰省
- いとこと会う
- 後はひたすらスマホゲーをしまくる
というリハビリもしない自堕落な生活を送っておりました
最近のリハビリメニューはというと
- 膝蓋骨周囲のマッサージ
- ハーフシッティング
- 両足スクワット
- エアロバイク
- その他筋トレ
ついにスクワットとエアロバイクが始まりました!!エアロバイクはついつい本気でこいでしまってしんどいです(笑)
今日の外来では筋力がよくついているとお褒めの言葉をいただきました!!やったね!!でもまだまだ油断禁物です。ほんとにこけるのが怖いです。
今後の目標は3か月を超えた時点で片足スクワットができるようになる事と膝前面の痛みをなくすことです。
先は長いです・・
脳梗塞の保存的療法と
こんにちは、最近病院見学に行ってきたぬーみんです。
今日は脳梗塞の患者に使用する薬剤についてまとめたいと思います。
これは某病院の見学に行った際に研修医の先生に教えていただいたことです。
この研修医の先生のあだ名が「歩くイヤーノート」で、そのオーベンの先生のあだ名が「歩くハリソン」で、この病院すごいなってなりました。研修医の先生は優しくて仕事も完璧でほかのスタッフへの対応もみごとで、本当にお手本になるような人でした。これぐらいこの先生についていきたいって思える人がいる病院に行けるといいなって思います。私がついていけるかは知りませんが。
脳梗塞・・・脳を栄養する血管がなんらかの原因でつまって脳細胞が虚血状態に陥ることである
分類は3つ
治療方法は血栓を薬で溶解したりカテーテルで取り除くことが考えられます。しかし適応可能時間の壁が存在します。
- t-PA:4.5h
- カテ:8h
発症後時間を置いて血流を再開させることは、虚血によって脆弱になった組織に血流を流すことになるので脳出血を合併する危険性があるからです。
しかも時間の起点は「発症した時間、または他人が患者を最後に元気であると認識した時間」なので朝起きたらマヒしてる・・・という症例では4.5hは確実に超えています。さらに脳梗塞は症状が激しい脳出血と異なり、緩徐経過をたどることもあるため体の異変に気付くのが遅れる場合もしばしばあります。またt-PAは高血圧など全身状態によっては適応外になります。だから、意外と使えない症例が多いです。
適応外になった患者には次のような処置を行います。
- 抗凝固薬・抗血小板薬:さらに血栓ができて症状が悪化するのを防ぐ
- 脳保護薬:ラジカルを除去する
- 輸液:動けなくなっているところを発見された場合、脱水になっていることも多い
- 脳浮腫薬:脳へルニアを防ぐ
- PPI:クッシング潰瘍を防ぐ
見学したときに先生と一緒に見た患者さんもやはり脱水状態でした。
二足歩行デビュー
こんにちは、冬休みで完全に生活リズムを崩しているぬーみんです。
先週木曜日の12/14の話ですが、ついについに、患側全荷重の許可が出ました。要は歩けるようになったってことですね!!やったね!!
実はその前日の水曜日から杖1本でほぼ普通に歩く練習をしていましたが、やはり杖がなくなると体の重さを感じますね・・・左足だけ重力3倍、フォースの力か何かな(違う)
退院してから通常歩行が可能になるまでで感じたことですが、松葉杖ありで家での生活するのは車いすで入院しているよりはるかに不便です。何が不便って
杖のせいで両手が塞がっている
ことです。キッチンで暖かい紅茶を入れて、さあ部屋でお勉強するぞ~~、
手に持って移動できない・・・
仕方なく右手で物を持って杖は脇に挟み、足はすり足で引きずって家の中を移動という、とってもフラストレーションのたまる生活をしていました。免荷生活が大変で先生に一人暮らしを止められた理由がよくわかりました。
通常歩行への移行は思ったよりもスムーズで、杖なしでも姿勢や歩き方に問題ないねって言われました。それに保存的治療をしていたMCLもしっかりしてきているので再建手術はしなくても大丈夫そうだとも言われました。ということでめでたく下宿に帰ってきました!!
日常生活で歩くのは大丈夫だけど飛んだり走ったり、あとネズミさんの夢の国に行くのはあかんよって言われました、いや行きませんけど。
リハビリ内容は椅子踏ん張り、片足立ち10秒、ふくらはぎトレーニング、内転筋トレーニングが追加され、筋トレ中心のメニューに変わってきています。術前の筋力低下がひどかったのでここからも毎日コツコツが重要になってきます。
ところで、明日は歩行開始6日目ですが、見切り発進で予定を組んでしまった病院見学に行くことになっています。膝が爆発しないか心配です。何事もこれから安全第一を意識して行動せねばだ、ですね。
絞扼イレウス疑いだけど・・・
こんにちは、ぬーみんです。早いもので今年もあと2週間ほどですね。
今年は良くも悪くも激動と試練の1年でした。来年こそは幸せで充実した1年にしたいところです。
さて、今回は血液検査と消化器疾患についての話題です。
ある日、研修医として当直をしていると救急患者が運ばれてきました。腹痛、吐き気、腹部膨満を訴えています。排ガスはなく聴診では金属音を認めます。
まあ、たぶんイレウスですよね。
イレウスの場合最も重要なのは「絞扼性か単純性かの鑑別」です。絞扼性ならば腸管虚血、穿孔からの腹膜炎を防ぐために、緊急手術で壊死部を切除しなければ予後に関わる可能性があるからです。
このような場合、基本的に造影CTを用いて腸管虚血、閉塞部位、穿孔の有無を確認するそうです。
さあ、この患者さんも造影CTを撮って診断をしよう!!と思ったところ、先に行っていた血液検査の結果から腎機能が非常に悪いことがわかりました。造影できんやーーん!
腎機能の悪い人は原則ヨード造影剤は禁忌でしたね。実臨床では造影したい人に限って腎機能が悪いなんてことがよくあるそうです。(まあ、ほんまに緊急の時は透析導入覚悟で造影して処置後に大量輸液をするなんて手段もあるそうですが・・・)
となると、血液検査と全身状態から判断するしかなくなりました。とほほ😢
自分の1年数か月後の姿でしょうか、考えたくない・・
残念ながら造影はできませんが血液検査からでもある程度推測することはできます。
この患者さんの場合、評価すべき症状と血液検査で注目する値は次のものです。
炎症はCRPとWBCってのは定石ですが、意外と見落としがちなのは好中球数。好中球増加があれば強い炎症が起きていることに確信を持てるでしょう。
脱水は嘔吐や腸管内に液体が貯留していることが原因で脱水になります。脱水といえばBUNとCrの比が有名ですが、勘違いしがちなのがHbです。
ヤバレジ(もしくは5回生のぬーみん)「Hbが14~15あるから貧血がないし、消化管からの出血は大丈夫なんじゃないですか~」
先生「ばっかもーん!Hbが15もあったら脱水の農縮による上昇を考えんかーい。輸液や、輸液!!」
そのとおりでございます。穿孔と消化管出血はまた別物です。
LDHやCKですが、この二つは細胞内の物質と考えれば血液に大量に出現するということは細胞(=筋肉)が壊されている、と判断することができますね。(逸脱酵素が上昇しているということは何らかの異常が起きていると思って間違いないでしょう)
最後に何よりも患者さんの様子やバイタルサインを見ることも大事です。
- 腹部板状硬
- 意識レベルの低下
- 発熱
- ショックバイタル
- アシドーシス
このような症状があれば敗血症に移行していることが示唆されるので悠長に鑑別している暇なんてありません。即時、上の先生をたたき起こしに行かないといけないんじゃないでしょうか。
治療としては、絞扼性イレウスならば緊急開腹手術です。絞扼はなく保存的に治療する場合は輸液、絶食、イレウス管です。(ただしイレウス管は鼻からつっこんでいてとても苦しいので1週間で決着をつけることが望ましいそうです。)
胃・食道静脈瘤の治療
こんにちは、ぬーみんです。
先日の学生実習でQBにはクソ解説しか載っていなかった問題に先生が答えてくれました。
・・・内視鏡的治療の略記はいつまで経っても覚えられない
今回は内視鏡的静脈瘤結紮術と内視鏡的静脈瘤硬化療法について簡単にまとめたいと思います。ちなみに答えはdで、bは禁忌です(静脈瘤を削るような処置は破裂するもとです)。
まず内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)についてです。
EVL・・・静脈瘤自体を内視鏡の先端のキャップにつけた小さな輪ゴムで止めることにより静脈瘤の血流を遮断する。
すごく原始的な発想ですね(笑)。この療法の利点は侵襲が少なく簡便で安全性に優れていて短時間で治療が完了する点です。また、出血時の緊急処置も行うこともできます。ただし欠点としては輪ゴムをかけるだけなので再発する可能性があることです。
次は食道静脈瘤硬化療法(EIS)について
EIS・・・食道静脈瘤に内視鏡的に静脈瘤の内外に小さな針を刺して、そこから界面活性剤を注入し静脈瘤の破裂を防止する。
血管を固めてしまえ作戦ですね。
利点はEVLよりも確実に止血することができることです。欠点は肝機能が悪い患者には適応できないことや、合併症として発熱、食道穿孔、腎不全、肺梗塞、食道狭窄が考えられます。また処置時間が長いです。
さて、なぜEISが胃静脈瘤には積極的に適応できないかということですが(教科書で確認したわけではなく先生から教えてもらってことなので正しいのか保証できませんが)、結紮後に潰瘍を形成した後に胃液がかかると再出血の原因になるからだそうです。
ちなみに胃静脈瘤は一度破裂すると内視鏡的な止血処置をするのが難しく、場合によってはカテーテル的にも止められない場合もあります。破裂は致死的なので門脈圧亢進のある患者は定期的に上部内視鏡検査を行い、胃静脈瘤を発見した場合は予防的に処置することが望ましいです。逆に食道静脈瘤は少々出血しても救命することはできるそうです。
骨の中に埋まっているもの
こんにちは、ぬーみんです。
退院してから少し経ちました。相変わらず実家で引きこもってますが歩くことにも慣れてのんびり暮らしています。
12月7日から2/3荷重での歩行が始まって少し楽に歩けるようになりました。が荷重を上げた直後は相変わらず腫れて痛いです・・・
PTの先生にはだいぶ可動域もよくなったし屈曲伸展ともに問題なくできているよって褒めてもらえました。退院して喝を入れてくれる人がいなくなった途端に状態が悪くなる 子もいるようです。私の課題は屈曲110°~120°の動きの硬さを取っていくことです。
さて、今日は自分の術後レントゲン写真と初対面してきました。こちらです!!
「なんかでっかいの入ってる~」ってなりましたね(医学生らしからぬ発言)
大腿骨と脛骨にそれぞれ穴を開けて膝蓋骨から採集した移植腱をスクリューにつけて入れ込み、金具でとめているそうです。
この先杖なしで歩けるようになっても転倒には気を付けて油断しないで生活したいと思います。