ぬーみんの日記

某大医大生の短期留学と膝のリハビリと医学メモ

ACL仲間

8/31、サーバーがすべてリセットされる日にブログを書いているぬーみんです。(元ネタはアニメ、ゼーガペイン)

忘れるな、わが痛み。消させるな、この思い。ってな

 

某大病院のリハビリ科に通っているのですが、最近一緒にリハビリを頑張る仲間ができました(って勝手に思ってる)。名付けてACL仲間!!

構成員を大まかにグループ分けすると

  1. 中高生女子:ダンス、柔道(両足同時)、バスケ、バレー(過去に逆の足も手術している)など部活・授業中のケガ
  2. 中年女性:バドミントン、バレーなど社会人サークルでのケガ、滑ってこけた
  3. 男性(少数):バイク事故(80代の老人が運転する車が逆走してきてぶつかった)、アメフト(大男3人にタックルされた)

 という感じです。今のところ術後リハの人しか知りません。ACLは圧倒的に女性が多いようです。

リハ仲間が自分の足で動けるようになっているのを見ると自分もきっと治るんだっていう希望が湧いてきます。あと将来自分がどんな筋トレをするのかっていう参考にもなります。

そしてPTさんと実習生2人。PTさんは壮絶な過去があるようです。(後日書くかも)

 

ACL仲間で一番気になってるのはとあるおじさんです。この人は術後9か月で年齢は60歳近くの人です。驚いたのはなんと35歳下の彼女がいるということ。自分より若いぞ(いわゆるパ〇活?)。世の中に出ても恥ずかしくないマナーを身につけさせてあげたいらしいです。

この方はデザイナーをされているそうで今は有名大学教授の別邸のデザインを手掛けているとか。道具には人一倍こだわっているらしく、キーボードやマウスが壊れたら同じ型のを300個ぐらい買ってきて一番手になじむのもを採用するらしいです。1ミス15秒、積もれば仕事が遅れるっていう理論。仕事人ですなぁ・・・ちなみに何個か会社を作って節税するぐらいにはお金持ちみたいです。

さらにこの方の囲碁仲間に某大の医学部教授がいて、その先生曰く某大病院の病院としてのデザインは最悪らしいぞっていう話題も持ち上がりました。例えばエレベーターが2か所しかない、職員エレベータと緊急エレベーターが兼用、入退院玄関と救命センターの入り口が同じ、屋上ヘリポートから救命センター直通のエレベーターがない、など。まあ、ホテルのデザイナーがデザインしたらそうなるわけですねえ。

 

 

ACL仲間、今後も増えていくことでしょう。面白い出会いがあるといいなあって思ってます。

下宿に戻ってリハビリ初め

ご無沙汰しています、ぬーみんです。

某大のリハビリ科に本格的に通うため、28日に下宿に戻りました。振り返ると17日からだったので史上最長の帰省だったことになります。両親には本当にお世話になりました・・・

 

21日に診断を受けて足を曲げても大丈夫って言われて以来、家で曲げ伸ばしを繰り返してきました。動かしているうちに上がらなかった足もあげられるようになりました。

 

リハビリに通った4日の成果:膝関節可動域(無理やり)

8/28・・105度

8/29・・110度

8/30・・125度

8/31・・135度

順調に可動域が広がっています。

 

リハビリでは温熱療法(通称足湯)、超音波療法、振動、マッサージで温めたり血腫をほぐして可動域を増やそうとしています。

ひざの内側、おそらく内側側副靭帯や内側膝蓋大腿靭帯の付け根がものすごく痛くて曲げにくいですね・・・

可動域的には順調に回復してるんですが、問題は筋力低下ですね・・・先生になんてののしられることやら・・・

 

ちなみに可動域の測量の仕方です。

f:id:numin-yumin:20170903222948p:plain

大腿骨は大転子を基準とするので、実は思っているより数値としては曲がっていません。

簡単に測る目安は、

120:曲げてる足を伸ばしている足の膝まで持ってくる

135:お尻から曲げている足までの距離が拳2個分

だそうです。

SvO₂からわかること

どーも、散歩に出してくれない犬の気分を感じてるぬーみんです。

今日は気晴らしに映画を見に行くことになりました。お優しい母上が買い物のついでに車で送ってくれました。見た映画は・・・・銀魂!!

原作はもともと好きでどこまで忠実に再現してくれるのか楽しみにしていましたが、忠実さの中にもまた実写の別の良さがあったのではないでしょうか。アニメ実写としては傑作ではないかと思います。赤い彗星の某キャラとか青き衣の某キャラが出てきたのは吹き出しました。パクりすぎやろ(笑)(笑)

 

 

さて、今日はSvO₂(混合静脈血酸素飽和度)についてです。

SvO₂を測定するにはスワンガンツカテーテルを用います。このスワンガンツカテーテルは静脈から穿刺するため侵襲度が低く、多くの情報を得ることができる点で重宝されています。

検査項目
  1. 心内圧の測定
  2. 心拍出量(CO)の測定
  3. 酸素飽和度の測定
 
検査目的
  • 心不全や短絡疾患が疑われる患者さんに対し、心機能異常の詳細な把握(何処でどんな異常が起こっているのか)をするために行われる。

検査項目の1,2は急性心不全の重症度分類のForester分類を知るために行われます。一方3はシャントや酸素需給バランスを知るのに便利な数値です。SvO₂は3の項目を利用して測定します。

出典: http://med-infom.com/?p=937

 

SvO₂の目的を一言で表すと酸素の需給バランスの指標、ということです。

集中治療の領域ではCO(心拍出量)を重視しており、十分ではないと判断されればカテコラミンなど強心薬を投与して循環を保つようにしています。しかしただCOを上げればいいということでもありません。強心薬の過量投与の原因で、心仕事量が増加し、心臓虚血、心筋梗塞が増加し、術後心不全の原因になりかねないという指摘もあるそうです。

需要と供給のバランスを評価することは強心薬の適正使用を促し、術後のトラブルを減らすことにつながります。

出典:https://ameblo.jp/anestheman/entry-11043603115.html

 

SvO₂ = SaO₂ - VO₂/(1.34×Hb×CO)

で表されることから、SvO₂の決定因子は

  • SaO₂: 動脈血酸素飽和度 (正常であればSpO₂で判断できる)
  • VO₂: 酸素消費量
  • Hb: ヘモグロビン濃度
  • CO: 心拍出量

の4つです。正常であればSvO₂は全身の酸素消費量と酸素供給量の比が関係していることがわかります。

もし異常があれば

  • 肺(酸素供給)
  • 心臓・ヘモグロビン(運搬機能)
  • 細胞組織(酸素需要)

のいずれかに異常があるということです。

出典:http://drmagician.exblog.jp/16649606/

 

 

集中治療の領域ではSvO₂の低下はCOの低下を意味するようです。ただ、循環がそこそこ安定しているのに低下する場合には貧血や発熱が考えられます。

一方低体温による代謝低下や敗血症、アナフィラキシーのような血流分布異常ではSvO₂は上昇します。また心内シャントや全身シャントでも上昇します。

 

 

 

 

初診

今日は膝の初診でした。

 

結果は思っていたより悪かったです。前十字靭帯、内側側副靭帯、内側膝蓋大腿靭帯断裂、外側半月板損傷でした。思い出して書くのも辛い・・・

手術で治るとのことですが時間はかかるようです。ひとまず医者になるまでには戻るようで安心しました。膝蓋骨と内側膝蓋大腿靭帯は保存的に、ほかは手術をする計画です。

ひどすぎてスポーツ外来の先生にほんまにスポーツ⁉事故ちゃうんって2度見されたレベルのようです。あーつら。

 

とにかく膝が動かないと話にならないので装具をつけて歩く、膝を曲げるリハビリから始めて、同時に保存療法も進めていきます。

 

それにしても、整形の先生やリハビリの先生が膝を曲げても大丈夫って言ってくれるとできちゃうんですよね、不思議・・・

思えば今まで恐怖心に囚われて膝を甘やかしいただけだったみたいです。

 

そして今日の先生の名言(迷言)

先生(^Д^)「保存療法でもお医者さんできるぐらいまでは治るよ。でも、整形みたいに人を支える科に進んだり、スポーツを再開するなら手術して治さないとね。」

ぬ( ゚Д゚)「(もしかしてこの先生、勧誘する気満々・・・?)」

 

今日から家でも大学でもリハビリに励みます。ポリクリも先生方にメールして何とか寛大な処置をしていただかないと・・・。あと、内側半月板を痛めないように気を付けます・・・

 

 

今日の思うところ、発見

  • 医療事務の人が派遣だった
  • 大学病院の待ち時間が半端ない
  • 先生の言葉は魔法!!
  • 装具の技師さんと装具部屋がある
  • リハビリ室は事務みたい!!今日はACL術後の女の子が4人もいた!!がんばるモチベになる!!
  • リハビリの先生(PTさん)神!!!
  • 入院ではタオル大量とおむつとスニーカーが必須
  • 集団で入院生活のビデオを見る

OBの先生と相談

どーも、動かなくてお腹が空かないぬーみんです。

 

今日はお母さんに大学まで連れて行ってもらっていろいろ雑用を済ませてきたついでにバド部のOBの先生でスポーツ医学の先生にお会いしてきました。

ケガした時の状況を話してグリって音がしましたって訴えたら「あー、90%の確率で靭帯やなー」って言われました。あーあ・・・

 

24日の朝に正式に大学で見てもらって、昼からそのまま専門外来でも見てもらえるそうです。その担当の先生にしっかり口添えしていただけるようで・・ああ、OBの先生は神!!

 

手術もたぶん大学でやってもらえる、とのこと。ただ、前十字と半月板損傷の手術をした後輩は1か月術前リハをしてから手術だったらしい。歩けるようになるまで1か月はかかりそうだから・・・海外実習は結構ぎりぎりかもしれません。

 

なんと、勉強しに来た先輩と研究室バイトをしに来た後輩から差し入れをもらいました。モンスターとトッポ(笑)めっちゃ元気が出ました。

膝の大けがとガチバドミントンの終わり

今日をもってこのブログのタイトルと趣旨を大幅に変更しました、ぬーみんです。

もともと医学の勉強メモ用に始めたブログなので身バレしないようにあまり自分のことを書かなかったんですが、今日からはもっと身バレを恐れずに自分の現状とか気持ちとか書いていきたいと思います。

 

 

先日の山口で行われた西医体で膝を大けがして、ただいま実家で静養しています。けがしたとき、会場中に聞こえるぐらいに叫んでしまったのでこれで自分が誰なのかバレましたね、はい。

詳しい診断はまだなのですが、MRIを撮影してくださった先生の見立てでは前十字靭帯断裂と膝蓋骨脱臼を起こしている、とのことです。今のところ装具を付ければ何とか歩けますが、このまま放置すれば内側半月板を痛めるかもしれないとも言われました。

 

私は高校からバドミントンを始めました。超貧弱な部活でしたが自分なりに毎日勉強と両立しながら頑張っていたと思います。大学進学後も某大学医学部バド部に入りました。昔は女子部員が少なかったこともあって、貧弱選手ながらも西医体は3回生から、春は1回生から団体戦のメンバーとして試合に出させていただきました(いわゆるレギュラー)。

まあ、部活の幹部が終わってからはいろいろと思うところもあり若干さぼり気味でしたが・・それでも自分は弱くても後輩に見本を見せる立場だし運動を続けたいと思って練習してきました。

 

今回のけがは、勝てば外シード(ベスト16)で男子も全員応援に来てくれていた試合でやってしまいました。膝がグリってなった瞬間、痛い立てない、実習どうしよう、試合負けちゃった、秋リーグ出れない、旅行行けない、遊べない、海外実習大丈夫?、部活メンバーがみんな見てる、私と組みたいからって練習頑張ってくれた後輩のこと、などいろんなことがめぐって本当にその場で号泣してしまいました(ほんとごめんなさい・・・)。その場で主幹の山口大の方や対戦相手の方(昔からよくしていただいてる先輩)、部活のメンバーや多くの他大の友人知人に助けていただき、病院へ搬送となりました。

 

たぶんもう6回生夏までに完全復帰できる見込みはないし、怖いのもあって団体戦メンバーは引退して二度と出ないつもりです。ある意味では部活のためのバドをしなくていいということでホッとしました。しかし私の中のバドミントンというアイデンティティを失ってしまいました。一生元通りのバドはできずに、最悪膝に障害を残すかもしれないと思うと絶望感でいっぱいになります。正直、けがのことを考えては毎晩泣いてます。

 

でも、友達や部活のメンバー、他大の方に励ましのメッセージをいただいたり、過去に対戦した相手の方まで心配をかけてしまっていることを人伝いで聞いて、このまま終わりたくない気持ちが強くなりました。来年の最後の西医体で絶対にもう一度、意地でもコートに戻ろうと思います(ダブルスゆるミントンで笑)

 

 

 

 

ということで、まず病んでる自分を励ますために前十字靭断裂+膝蓋骨脱臼のブログを見つけて同じ境遇から復活した人のことを知ろうとしました。

・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・ない!!!!

小型犬のブログばっかりやん!!!!

私は犬かよ!!!!

もし将来、私と同じことで苦しむ人がいたら少しでも勇気を持つきっかけになればいいなと思って自分のことを書くことにしました。あれ、もしかして私以外にそんなドジっ子いない?

 

重度の日本語能力欠乏ですが、拙文ながらけがのこと(もちろん勉強したこととか日々のくだらないことも)を書いていきたいと思います。いやー、書くからには絶対に復活してみせないとな!!

ビア腹のPatient

こんにちは、ぬーみんです。

そろそろ海外実習のMotivation Letterを清書しないと時間ないけど、やる気起こりません。どこに行くかは、秘密です。たぶん医学生でこの国に行くのは自分と相方だけでしょうから身バレします。それぐらい変わった国に1か月行きます。

 

 

さて、今日のタイトルは何を表しているんでしょうか。

ビール腹の患者はよく見かけますが。

 

 

 

これはChild-Pugh分類のゴロ合わせです.。肝硬変の重症度判定や予後予測に用いられます。また合併している食道・胃静脈瘤の治療方針を決定するためにも使われます。

 

「child pugh 分類」の画像検索結果

出典:

https://blogs.yahoo.co.jp/sunnysideexpress/27449962.html

「ビール腹」の画像検索結果

 

スコアが8~9点の場合には1年以内に死亡する例が多く、10点以上になるとその予後は約6ヶ月となるそうです。

 

 

 

もう一つ肝臓で重要なスコアは肝障害度です。

こちらは予備肝機能を評価して肝細胞癌の治療方針決定に使われます

Child-Pugh分類の脳症のところがICG試験15分値に変わったものです。「肝障害度」の画像検索結果

出典:http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/hpb/hepat/hepat-ca/

 

ちなみにICGとは色素(ICG:インドシアニングリーン)のことで、経静脈的に負荷すると血中のリポ蛋白に結合して肝に輸送されます。ICGの特徴的な点は肝臓の類洞を通る間に肝細胞に摂取され抱合を受けずに、すぐに胆汁に排泄されることです。

ということで血中のICG濃度を経時的に測定すれば、肝の色素排泄能を観察することで肝機能や肝予備能を判定することができるのです。肝臓が悪くなっていればうまく色素が排出できず血中に残る、という原理を利用しているのですね。

 

で、ついでに肝癌の治療アルゴリズムです。

「肝癌 アルゴリズム」の画像検索結果

このアルゴリズムで最も重要な点は肝障害度がCならば治療不能という点です。

ほかのガンなら個数や大きさ、転移によって定義されたステージを重視しますが、肝癌は残存肝機能を最も重視します。なぜかというと代替肝療法が存在しないからです。

心肺なら体外式循環装置、腎なら透析で何とかできるけど、肝臓の代わりになる機械は今のところ存在しません(もしあったらどんなに大きい装置なんだろうか・・・)

個数が多くても肝機能が良ければ代償できるので積極的に治療していきます。

逆に肝機能が悪い場合は、治療を行ってから肝不全を発症する可能性があります。外科手術の原則は『手術によって余命を縮めてはいけない。予後改善が見込まれる場合に施行する』なので、予備肝機能がない場合は肝臓を触らないほうが予後がいいわけですね。